本記事は平成初期の名短距離馬「バンブーメモリー」解説です。
頭に掲げる謎の「夢ハチマキ」由来、理由を解説。自身、数々のウマ娘と杉本清氏の詰まった物語。
モデル馬バンブーメモリー(88年クラシック世代、オグリキャップとの名勝負、杉本清etc)の元ネタのストーリー内への反映を紹介。
こういった方にお勧めの内容。
・競走馬時は知らない
・馬券を買うけどウマ娘はそこまで…
・私の夢はロンシャンボーイです
ウマ娘 バンブーメモリー キャラクター
ウマ娘 キャラクター
・思いっきり頭に巻いている「夢」ハチマキ
・熱血風紀委員長
・割と常識的
モデル馬から元ネタ、理由解説
馬齢は2000年改正表記にしています
夢ハチマキ
簡素的に言うとレースへの夢が1つ目。
・自身のレース(最高のライバルと対戦)
・88年ダービー出走組との対決
・上記88年組の霞んでしまった地味め組(サクラチヨノオー、メジロアルダン、ヤエノムテキ)夢を引っ張り上げる役。
夢の詳細はシニア期ストーリーで紹介します。
2つ目の理由が競馬実況で有名な杉本清アナウンサー。
宝塚記念実況を担当していた頃に恒例の「あなたの、私の夢が走ります。私の夢は○○です」初代指名された馬がバンブーメモリー。(まさかの最下位で有名)
熱血風紀委員長
これは特に元ネタがないとしか言いようがない。
主戦騎手はデビューすぐの武豊騎手、調教師は父の故武邦彦氏。この2人はスマートなイメージ。
(故武邦彦氏:60年代前半~80年代前半の名騎手。騎乗センスの高さからターフの魔術師が二つ名。)
モデル馬は武豊騎手いわく「自分が速いことを知っていて、それを見せたくてウズウズしている」、熱血とはまた違う。
割と常識的
原案時点イメージだと竹刀持って目もイカついのでエアシャカール、シリウスシンボリ辺りの怖い感触。
常識的で素直、真面目。若干暑苦しい・風紀に力入れ過ぎだけど、高圧的でない・歩み寄りもできる子です。としか内申書に書けない。
テーマの「夢」があるからそこまで破天荒にしなかった説。
どこかの学級院長は常軌逸している。
~クラシック期 ストーリー解説
ウマ娘のバンブーメモリーは爪が弱く、史実でも4歳(シニア期)の春頃まではダート出走。
蹄は馬の四肢を支える先端の爪。人間だとかかとに近い箇所。芝は硬く蹄への負荷がかかるため、蹄が弱い時期はダートを使う調教師も多い。ウマ娘、トーセンジョーダンは蹄に悩まされたモデル馬の影響から爪を大切?(ネイル)にする。
そのためウマ娘内もクラシック時期まで目標レースが少なめ設定、目標重賞設定1回。
(本格化が遅かった、その後は長く走ったのでレース目標が前倒し、順番前後。)
バンブーメモリー 目標レース
(史実出走の太字年 推定のウマ娘ストーリー内レース)
現状を受け入れて頑張る子。普通なら腐りそうな要素ある満載だけどひたむき。と内申書に書きたい。
・適性的にも芝を走りたいがトレーナーの指示を守り、爪のために無理を言わない。
・クラシック組(チヨノオー、アルダン、ヤエノ)のダービーに憧れ対戦願望、夢。ただ適性距離は理解、バンブーはスプリント~マイル得意。
(左からチヨノオー、アルダン、ヤエノ)
・オグリキャップが目標。マイル戦なら可能性はある。
ピンク色の学級委員長は屁理屈理論で説得が必要。
バンブー、オグリ
史実クラシック期
ストーリー通り、85年生まれ→88年クラシック世代、いわゆるオグリキャップ世代。
(他にスーパークリーク、、サクラチヨノオー、メジロアルダン、ヤエノムテキら)
クラシック時期はひたすらダートしか走っていないので、上記馬との対戦なし。
史実も本格化以降はスプリント~マイルの芝適性、ただ2000M辺りまでなら好走可能。
~シニア期 ストーリー解説
ストーリーではバンブーは爪の状態も安定し、芝短距離路線へ挑戦する流れ。
バンブーの夢は最高のライバルと最高の勝負をすること(オグリキャップとのマイル対戦)。
まずはスワンS(GⅡ)へ。
一方で88年ダービー活躍の同期チヨノオー、アルダン、ヤエノ 心が勝手に折れてる、私たちどうすればいいんでしょうか問題が発生。
チヨノオー:マルゼンスキー(史実の父)が憧れ、夢。ダービー後怪我、もう遅れを取り戻せない。
アルダン:慢性的に体質弱いが一瞬であろうとも一瞬でも時代の中心になることが夢。それも叶いそうにない。
ヤエノ:強者よりも己を高めることが夢。だだ強大な強者に夢を喰われるのでないか。
原因は口を揃えてオグリキャップの存在。
要はオグリキャップが強すぎ、時代の寵児、しかも距離対応範囲が広い。
→ チヨノオー、アルダン、ヤエノには勝てる大レースが少ない、存在が霞む、夢を見ようにも大きな存在の前に無力になる。悪循環状態。
史実のオグリキャップは地方移籍、当時のルールで88年クラシック出走できず。第2次競馬ブームの中心。古馬時ライバルはスーパークリーク、イナリワン。
相対的にチヨノオー、アルダン、ヤエノが地味に映ったのは否めない。
(チヨノオーはダービー後怪我で好走できず早期引退、アルダンは慢性的に怪我離脱期間が長い、ヤエノムテキのみは古馬時オグリ相手にGⅠ 1勝)
88年組他 史実距離適性・活躍時期 図
(地方競馬所属時は除く)
オグリキャップの対応距離、ドラマ性がチート。
・当時のGⅠは菊花賞(3歳クラシック)、天皇賞春、スプリンターズS以外は出れる卑怯。むしろ天皇賞春回避して安田記念出てくる可能性が高まるだけ。
・笠松ダート800M走ってた馬が翌年に有馬記念制覇はさすがにチート。
・マイルは負けなしでジャパンC(2400M)世界レコードはチート。
・クラシック未登録は慈悲と見せかけて「もしオグリがいたら」と思わせる。出てないのにチート。
・90年後半に衰えたけど復活の有馬記念勝利も感動的チート。
・田舎から零細血統が中央エリートを倒していく漫画みたいな事実そのものがチート概念。
・ぬいぐるみ1,100万個販売は意味がわからない。
(オグリが2000M以上中心寄りローテ、バンブーは1200~1600得意なので、まだ出走がバッティングしない方)
ストーリーでバンブーは「88年私たちどうすればいいんでしょうか組」の夢の旗振り役。
諦めない姿勢を見せるために自身も走る。オグリが最高、最強だからこそ戦って夢をより輝かせている存在と示す。勇気づける対象が1人・複数に向けたものではなく、固定3人を抱える役割。
(ストーリー実装約3ヵ月前のストーリーイベント「轟け、エール!トレセン学園応戦団」の役回りにも近い)
高松宮記念
ストーリーでは春のスプリント戦(GI 1200M)、高松宮記念出走。まず観戦に来たアルダンを片付ける(夢をあきらめないで精神注入)。
(史実)
89年高松宮杯が元レース。アルダン1着、バンブー2着 →当時は夏の2000M GⅡ開催、アルダンの距離適性からストーリ上は観戦の形を取らせた。(バンブーは90年に1着)
安田記念
春のマイル戦(GI 1600M)、安田記念。ここでオグリと公式レース初対戦。バンブーの夢ターン。普通に育てているとこの時点でオグリは強敵。
同じく出走のヤエノ、観戦に来たチヨノオー、アルダンを面倒なので3人まとめて片付ける(夢をあきらめないで精神注入)。
(史実)
バンブー、オグリ、ヤエノが揃った90年が元と思われる(オグリ1着、ヤエノ2着、バンブー6着)。
ただバンブーの安田記念勝利は89年(4歳)。武豊騎手が芝での走りから進言。ちょっとGI行っちゃいましょうの感じで連闘出走。たった芝3戦目でGⅠ勝利。(10番人気の低評価、武豊騎手は別馬先約があったため岡部幸雄騎手)
夢のグランプリ 宝塚記念
こんないい子には自分の夢(88年クラシック組との対決)をトレーナーとして応えさせないといけない。
適性距離から外れるが、春のグランプリ宝塚記念出走。このレースに関しては目標着順のない、夢への挑戦。
88年クラシック組チヨノオー、ヤエノと対決できる。(アルダンは出走なし。史実で宝塚記念出走ないためと思われる)
史実通りイナリワン、ゴールドシチーも出走。
(史実)
チヨノオー、ヤエノ、バンブーが揃ったのは89年(バンブー5着、ヤエノ7着、チヨノオー16着。1着はイナリワン。)結構2000M辺りなら好走するバンブー。
一方で91年宝塚記念が有名、「夢」の元ネタ。
宝塚記念実況時のみ言葉にする、杉本清アナウンサーの「あなたの、私の夢が走ります。私の夢は○○です。」初代指名馬がバンブー。この年から04年まで恒例。
バンブー宝塚記念は89年5着→90年6着。91年も4番人気とある程度走る見込みはあった。
まさかの最下位10着で全国中継で恥をかく杉本清アナ。
翌週に杉本氏が愚痴を言うと武邦彦調教師は「走らんかったね」率直すぎる反応。
ウマ娘内実況は杉本清氏の実況再現多い(特に担当した京都、阪神開催)。Youtube内で(ゴールドシップ、ナイスネイチャ)の声優さんと対談企画。
歴代 杉本清アナの夢
年度 | 本命(夢)馬 | 結果 | 備考 |
1991 | バンブーメモリー | 10着 | 最下位 |
1992 | 確認できず | – | 実況のニュアンスからはダイユウサクの印象 |
1993 | ロンシャンボーイ | 11着 | 最下位 |
1994 | アイルトンシンボリ | 2着 | 7番人気 |
1995 | ダンツシアトル | 1着 | ライスシャワーレース中故障 |
1996 | フジヤマケンザン | 5着 | |
1997 | ヤシマソブリン | 8着 | |
1998 | ミッドナイトベット | 10着 | |
1999 | ※サイレンススズカ | – | 出走なし |
2000 | テイエムオペラオー、グラスワンダー | 1着 / 6着 | 1、2着の予想 |
2001 | 確認できず | – | |
2002 | トウカイオーザ | 8着 | |
2003 | ダイタクバートラム | 11着 | |
2004 | ゼンノロブロイ | 3着 | 珍しく2番人気を指名 |
夢を1頭にした10年間で1,2,3着が1回ずつ。人気サイドは指名しないので(3番人気以内は95年含めて2回のみ指名)妥当な結果。
特記は他に93,99年。
93年:ロンシャンボーイが自力でゲート開いて逸走。そこまで長く逸走していないので再発走。しかしイレ込んでいたのか断トツの11着最下位(10着から8馬身離される)。スタート前に夢がほぼ終わる。
99年:前年覇者サイレンススズカ。前年天皇賞秋のレース中事故で死去。追悼の意味合い、本当の夢。
スプリンターズS
ストーリー終盤、ここからは1着目標。秋のスプリント戦(GI 1200M) スプリンターズS出走。ライバル枠はダイタクヘリオス。
それ言ってやるな 1
(史実)
史実2頭が出走した90年が元レース。バンブー1着、ダイタクヘリオス6着。
(史実のバンブーのスプリント~マイル路線ライバルはパッシングショット、ホクトヘリオス等。ダイタクヘリオスとは全盛期がズレている。)
マイルCS オグリキャップとの名勝負
最高のライバルのオグリとの対戦。
気合も最高潮。果たし状を渡しオグリに勝って最強マイラーになる宣言。
バンブー念願の夢。
それ言ってやるな 2
(史実)
マイルCSは89年レのース。本来オグリは天皇賞秋→ジャパンカップ予定だったが天皇賞秋で2着に敗れ、突如マイルCS参戦を表明。マイルCS→ジャパンカップは連闘。
レースは好位にオグリ、すぐ後ろにバンブー。3~4コーナーでバンブーが進出、オグリは見るからに手ごたえが悪い。残り200M時点ではバンブーリード、勢いから見てもバンブー。しかしオグリが徐々に差を詰めてハナ差逆転勝利。1着オグリ、2着バンブー。
史実その7日後 過酷ローテ (バンブーも)
バンブーも1週間後の距離適性のないジャパンカップへまさかの連闘。
栗東(滋賀)→京都競馬場→栗東(滋賀)→東京競馬場の往復強行軍、20年ヨシオ並のローテ。
結果は15頭中13着、無惨な結果(同年凱旋門賞馬キャロルハウスと大井競馬のロジータに先着)。当時の1ヵ月程度先のスプリンターズS出ればいいのに。
このローテの悲壮感はオグリも同じローテなのにバンブーは空気扱い。13番人気で13着。
オグリは伝説扱い この扱いの差
・オグリは1600M、2400Mどちらも適性距離範囲、勝負になる見込み(2番人気)。
・天皇賞秋→ジャパンカップ予定にマイルCSねじ込み。理由ははっきりとしてないが、引退後馬主と現役中馬主が違う→現役中馬主は購入費をペイする必要。少なくとも世間からはそう思われていたのでオグリは同情引く。
・オグリ、クビ差2着に健闘(勝ち馬は二ュージーランド馬ホーリックス)。
・2:22.2、タイム差なし世界レコード。従来東京2400レコードを2.5秒以上更新、16年後にコンマ1秒破られるが馬場差が違いすぎる(89年はオーバーシード前。秋~冬の芝はその辺の公園みたいな色)。
・なぜバンブー出走したか不明。2400M以上は生涯この1戦のみ。
適性距離ではないけど夢のオグリキャップと2週連続対戦。ストーリーにはさすがに反映なし。
有馬記念
ストーリー最後の有馬記念はオグリ、イナリワン、スーパークリーク、チヨノオー、アルダン、ヤエノが揃う「夢のレース」。
一方、バンブーは「クリスマスだよ風紀激烈強化期間」で大忙し。
愚直に自身のできる走りで、同期3人の夢を失わせなかったバンブーのストーリーらしいラスト。
距離長いし、現実でも走ってないし。
史実91年
91年のバンブーは徐々に衰える。安田記念3着が目立つ程度。
ダイタクヘリオス、ダイイチルビー、ケイエスミラクル、ヤマニンゼファーの4頭(得意距離は自身と同じく1600±400M)が91年以降台頭。
後進の活躍を見送り引退。
エピローグ
エピローグ(アナタの夢はなんですか)でバンブーとオグリコンプレックスを乗り越えたチヨノオー、アルダン、ヤエノがその後も一緒に走り続ける場面。
強大な存在オグリ。競走能力というより社会現象、ストーリー性では日本競馬で随一。充分に凄いはずの3人が止まりかけた足、再び走り始めさせたバンブー。
テーマ、役割的にマチカネタンホイザに近い(タンホイザは無意識、複数に向けたもの)
(史実の90年天皇賞秋(2000M)では1着ヤエノ2着アルダン3着バンブー同期で3着独占。オグリに先着。)
主要勝ち鞍
GⅠ 安田記念(89年) スプリンターズS(90年)
(レース名・グレードは当時準拠)
アニメ版、漫画シンデレラグレイ版
アニメ版は出番なし。
また漫画シンデレラグレイ版(オグリキャップ主役、87~90年頃が舞台、連載途中)。22年9月8日発売時点で89年天皇賞秋の前段階。
史実では毎日王冠→天皇賞秋→マイルCS(オグリ対バンブー)だが今のところ登場なし。
週刊ヤングジャンプ内 URL
※ほとんどの主要キャラ絵面が怖くなる仕様。プリティ養分薄め。
まとめ
同期3人に夢を諦めさせないよう自らの道を懸命に走り勇気づける(山本五十六みたいな)バンブーの物語。