本記事はロジカル「エアシャカール」は解説です。
気性難の競走馬エアシャカールが全く逆ベクトルのロジカルを重要視するウマ娘になってしまった謎。そうなった疑問を現実の日本ダービー中心に理由を解説。
モデル馬エアシャカールの気性悪さ、準三冠馬戦績、エピソードetcからウマ娘ストーリーへの反映理由を紹介。
ウマ娘 エアシャカール キャラクター
<ウマ娘 キャラクター>
・見た目、言動が怖い、威圧的
・ロジカル的、数学的思考
・他人との交流を嫌う
モデル馬から元ネタ、理由解説
見た目、言動が怖い、威圧的
モデル馬の気性の悪さ。武豊騎手から「頭の中を見てみたい」「サンデーサイレンスの悪いところを集めた馬」と言うほどの気性難馬。レース中で真っすぐにはに走らない、よれる(斜行癖)のでまともに追えない。
ロジカル的な思考、自作PC保有
ウマ娘ストーリー上の設定。モデル馬は3冠馬に最も惜しかった馬(ダービーで7センチ差敗れる) → 記憶を持っており後悔 → 3冠ウマ娘になるため7センチという僅かな誤差(悪夢)を修正するストーリー展開上加味される。
他人との交流を嫌う
威圧的ではあるが自分から他者に干渉しない性格。上記のウマ娘内設定の延長。モデル馬視点でいえば他馬との戦いというよりは自分の気性との戦いが強い印象。ダービーで7センチ敗れたアグネスフライトとも現役時代にライバル印象は薄い(皐月賞出走なし、菊花賞は5着)。
~日本ダービー ストーリー
武豊騎手が頭の中を見たいと言ったから
データ厨のヤベえやつになってしまう
まず性格面、設定が複雑めウマ娘。
自作PC組み上げて、ロジカル・リソース・デバイスとか言っていることわからない。タチの悪いミホノブルボン。
既に見た目が怖い。名前由来のヒップホップMC、2パック(トゥパック・アマル・シャクール)と漫画NANAの怖そうな方の掛け合わせのような容姿。
ただ私服が珍プレー、Windowsカラーなの?
(左:シャカール私服 右:ツインターボ師匠勝負服)
君、記憶引継系列の転生だよね?
自作PCのPacaeにはあらゆるデータ、というか競走馬エアシャカールの未来のレース結果も入っている。7cm差でダービー負ける、2001年の天皇賞(秋)は雨天候が分かるとかそれヤバい精度。もはや転生者。
(Pacae名は運命の女神の意、2パック(Pac)の掛け合わせと思われる。)
ウマ娘は別世界の魂を引き継いで走る、あくまでこの世界の結果は分からない、前世の記憶は何となく程度だったがこの物語は違うべクトル。完全な記憶引継ぎまでとは言えないがほぼ転生者が現れる。
僅か7cmで三冠馬になれなかった運命を後悔したシャカール、だから異様にデータ拘る・精度が高いデータで補完した転生ウマ娘でないと収束できない設定。
目標レース
仕方なくトレーナーと契約
自分の理論にそぐわないものは拒絶、性格もキツいので折り合いつかず他トレーナーと契約しないシャカール。
でも契約しないと皐月賞すら出れない、運命変えられない、上手いことトレーナーになる、これで契約成立だ。
完全に置物扱い。
とかいいつつ優しいシャカール
トレーナーとは本当に距離感あるストーリー。あくまで日本ダービーの結果、運命を覆すため形式的に必要な付属品。
ただ、第三者が困っている、頼られることなど、意外と損得関係なく優しい。実装前からも不器用優しさエピソードが結構豊富なシャカール。
・メイショウドトウに適した靴をアドバイス
・ヲタ活に悩むアグネスデジタルへの理解
・ファインモーションと共に、子どもたちのために四つ葉のクローバー探す
・初対面のファインモーションに近づくなと完全拒絶 → ファインモーションを嬉しくさせる
なんか最後のエピソードだけ変だけど。大丈夫、ファイン殿下?モデル馬同士の縁はほぼないが、ウマ娘ではファインモーションとの交流、関わりは多い。
日本ダービー
形式的とはいえトレーナーに選んでくれたし、Pacaeも皐月賞後には7→3cm負けに結果修正された。
あのタイムリープ野郎か、時をかける少女か、君の名は、なのかわからないけど、この袋小路を抜け出させないと。彼女が運命の日本ダービーを覆すための素質、一生懸命さはトレーナーの自分が一番見てきた。
ダービー出走直前に全くロジカルでない感情論だが「俺の現実では君が最強だ。君の意地を見せてくれ。それが俺の意地だ。悪夢はここで断ち切ろう!」とシャカールに訴える。
(感覚的には)鈴宮ハルヒ、エンドレスエイトのラスト。トレーナーの自分の成すべきことは何だ?何もしなければシャカールは負けちまう、それじゃ運命は変化しないんだ。考えている暇はねえ、言っちまえの精神。
ダービー勝敗はどちらにせよ、ここでPacaeの今後の勝敗に関するデータは消失する。
史実解説 ~日本ダービーストーリー
馬齢は2000年改正表記にしています
クラシック時期
デビュー ~ 皐月賞
97年生まれの牡馬。父サンデーサイレンス、母アイドリームアドリーム。
99年にデビュー。ホープフルS1着、弥生賞2着などを経て5戦2勝で迎えた00年皐月賞。第3コーナー辺りから外をまくり進出、クビ差の勝利。
河内の夢か、豊の意地か
1番人気で迎えた日本ダービー。鞍上の武豊騎手は勝てばスペシャルウィーク、アドマイヤベガに続く偉業3連覇がかかる。
直線はアグネスフライト(アグネスタキオンの全兄)との一騎打ち。フライトは武豊騎手の兄弟子、河内洋元騎手が騎乗。
フジテレビ中継実況「河内の夢か、豊の意地か」有名な名勝負。僅か7センチ差でフライトが1着、シャカール2着。
(直線でシャカールが右にヨれてまともに追えていない、おもいっきりフライトにぶつかりながらゴール。武豊騎手も「もし先着していても妨害で降着していたかもしれない」と後年に発言。)
物理的に内ラチへのつっこみ防止 菊花賞
夏にイギリス遠征。キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスで5着、長いこの名前。
日本に戻り、神戸新聞杯(GⅡ)3着。勝手に内ラチ側へつっこみ、相変わらずまともに追えないシャカール。
本番菊花賞では内ラチ沿いを走らせて物理的に真っすぐ追う。最終直線、更にインの隙間を突いてクビ差の勝利。2冠達成。武豊騎手のGⅠ勝利の中でも屈指の名騎乗。
敗れた日本ダービーが僅か7センチ差のため準三冠馬とも呼ばれた。
日本ダービー以降 ストーリー
他世代との比較
シャカールに対して他世代より弱い、シャカールは強くない比較風潮。
現実でも同世代が弱くて2冠を取れたという評価が一般的。00年クラシック出走組がその後活躍できていないこと。1つ上の世代(テイエムオペラオー)を崩せなかった、1つ下の世代のインパクト(アグネスタキオン、ジャングルポケット、マンハッタンカフェら)が強くオペラオー世代を倒したが主な理由。
(タップダンスシチーやアグネスデジタルも同じ00年世代だが3歳時対戦なし、2頭とも本格化が遅かった。)
ダービー以降は他世代との対戦1勝もできないPacaeデータは消えている。だが今までは悪夢・固執するものだったデータ、消えたことによりこれから何を信じるか迷うシャカール。
トレーナーはそのデータを乗り越えてきた自分、意地を誇れと言及。一応ダービー以降、若干トレーナーを信頼してくれるようになるシャカール。
シニア期 天皇賞春~有馬記念
この頃から徐々に運命から脱却し、現実に自らの価値を証明するように考え方が変化していく。数字、理論でなく、抑圧された感情面が表に出てくる。
・結果でうるさい奴らを黙らせて、自分を誇る
・大舞台で勝ち、自分の時代をつくる
・強烈に存在を刻みつける
それがたった一瞬でも、トラウマに残るほど強烈に。
そして最終目標の有馬記念に向かうシャカール。
ついでにファインの運命変える
エアシャカールの有馬記念を観戦に来た、殿下こと、ファインモーション。(来るように伝えたのはシャカール)
彼女は元々、3年間日本で走り、王族の使命のため祖国アイルランドに戻る運命。日本での3年間は楽しい思い出、宝物にしたいファイン。
しかしファインは有馬記念のシャカールを目のあたりにして、走る先の本当の魅力、熱量を感じてしまう。もしかしたら見に来ない方が、知らない方がいい世界だったのではと、これからの運命を揺さぶられる描写。
ちなみにシャカールから初対面で近づくなと言われて嬉しかったのは(思考、言葉、体が)ある意味素直なシャカールに惹かれたから。
素直でいることは、自分がどうしたいのか、運命とどう向きあうのかに大切。第三者として共感できる存在がシャカール。
ファインモーションと対比ストーリー
ファインの固有ストーリーは彼女が日本の人々の心に一生刻む走りを見せる → その姿を見て引退予定、運命を自ら変えるシャカール。
シャカールのストーリーから見ると、逆に彼女の運命を変える序章。
お互いのストーリーでキーとなる存在。
ファインモーション固有ストーリー 記事 (リンク)
シャカールとファインのストーリーは時間軸・考え方の違いはあるが共通、連動ストーリー。
何だよこの2人。もう一緒にアイルランド行っちゃえよ。
アニメ版
現在のところは1期OVA「BNWの誓い」のみ。
チームNの駅伝走者として登場。あとは2015年宝塚記念、ゴールドシップの出遅れを再現した時の喧嘩相手 (現実はトーホウジャッカル)。
史実解説 日本ダービー以降ストーリー
菊花賞以降
初の古馬対戦となるジャパンカップ14着(テイエムオペラオー1着)。同世代クラシック組も揃って惨敗。
その後、5歳(02年)の有馬記念を最後に引退。
菊花賞以降は勝利していない。そのため古馬との対戦は出走はしているがストーリー内のif要素が強い。
主要勝ち鞍
GⅠ 皐月賞、菊花賞 (00年)
(レース名・グレードは当時準拠)
種牡馬時
繋養された牧場の柵に突撃して死去、事故であるが原因不明。種牡馬になって僅か数ヵ月後の早すぎる出来事。残された産駒は4頭のみだった。
最後までどこに走っていたかよくわからない馬。ただ気性の悪さ、ヨレ癖がありながら2冠になっているので能力は高い。
備考 歴代牡馬三冠馬
達成馬は歴代で8頭。
年度 | 馬名 | 特徴 | ピックアップレース | 主な同期ライバル |
1941 | セントライト | 初代三冠馬 (当時はあまり三冠の概念自体なし) | 日本ダービー:2着に8馬身差は最大着差タイ | ミナミモア |
1965 | シンザン | 20年間「シンザンを超えろ」が競馬界の標語。神馬扱い。 | 菊花賞:仕掛けを遅らせ直線で外から差し切る。 | ウメノチカラ |
1983 | ミスターシービー | 後方から追い込み。ファン人気も高い。しかし1年後の三冠馬が… | 菊花賞:京都3コーナー坂を急ピッチで駆け上がる非常識レース。 | メジロモンスニー(皐月,ダービー2着)。カツラギエースは本格前の中距離馬。 |
1984 | シンボリルドルフ | 初の無敗での三冠。「皇帝」異名。後々、先輩三冠馬をフルボッコ。 | 皐月賞:直線で斜行、ビゼンニシキに体当たり、押し出しながら勝利。降着寸前。 | ビゼンニシキ:体当たりで不利、騎手を寝取られる→8年後nの天皇賞秋で息子がルドルフ息子に嫌がらせ(悪意はない)。 |
1994 | ナリタブライアン | 3レースの合計着差15馬身は三冠馬で1番。半兄はビワハヤヒデ。 | 皐月賞:先行勢総崩れの展開の中、4番手から普通に快勝してしまう。 | エアダブリン(ダービー2着,菊花賞3着)、ヤシマソブリン(ダービー3着,菊花賞2着)。名前がややこしい。 |
2005 | ディープインパクト | 後方から追い込み。菊花賞の単勝1.0倍元返し(元返しは40年ぶり)。 | 日本ダービー:残り300M辺りからの末脚が気持ち悪い(ブライアンも近い) | シックスセンス、インティライミ、アドマイヤジャパン(現Yogiboホース) |
2011 | オルフェーヴル | 菊花賞ゴール後に騎手を外ラチ沿いに捨てる。クレイジーホ-ス。 | 日本ダービー:小柄な馬体ながら不良馬場、他馬マークを突き抜けて勝利。 | ウインバリアシオン:ダービー、菊花賞2着。通算4度の2着。 |
2020 | コントレイル | ディープインパクト産駒。初の親子三冠。 | 菊花賞:アリストテレスに詰め寄られるも根性でねじ伏せる。 | サリオス(皐月賞,日本ダービー2着)、アリストテレス。 |
まとめ
割と転生要素強めのウマ娘が運命を変えるストーリー。
最初は数字、ロジカル的だったが、感情に揺さぶられる。
ストーリーに運命やら証明などややこしい言葉は多いけどあくまで前提条件。
自分の生き方を模索しながら進むシャカールの物語。