本記事はレース以外、日常のメイケイエールの様子、エピソード。加えて生誕~デビュー前の話も紹介します。
レースでは制御決壊寸前の獅子舞、その割にポテンシャルの高すぎる走りが見る人を魅了。
そんなエールが普段はどんな日常(散歩行きたい犬、丸太を跨ぐ、お上品など)なのか、どんな環境で育ったのか、あらゆるソースから徹底紹介。
レースと違ったギャップ、可愛い一面、どことなく(エールは気にしていないが)不憫なエピソードが多い馬。
※エールは12/11 香港スプリントへJ.マクドナルド騎手と挑みます。(オーストラリアのトップ騎手、他香港レース前哨戦も騎乗済。またリアルインパクトのオーストラリアGⅠ勝利時の騎手。)
主戦、池添騎手は現在骨折で療養中。人馬一体の姿から競馬の魅力、楽しさを伝えてくれる騎手であり、今のエール成長を導いた騎手。エールに自覚はないにしても、香港では結果的に池添騎手と過ごした時間、物語を乗せて出走します。
無理なく万全の状態で競馬場に戻られる日を心待ちにしております。
簡単にエール誕生からデビューまで
本題の前にメイケイエールの誕生からデビューまでの育成を学校に当てはめた、おおまかな流れが下記です。
※当サイトではJRA関連画像は使用していません。著作権フリーの画像です。
エールがこのように育っただいたいのイメージ。
(正確にはノーザンファーム(NF) →NF早来(北海道) →NFしがらき →栗東トレセン)
ここでのエール、エピソードを紹介。
(備考)
・リードホースのビワハイジは競走馬としてGⅠ勝利。
産駒にブエナビスタ、アドマイヤジャパン(YogiboクッッションCM馬)他。
保育士としてソダシ、獅子舞を育てる。
トレセンのメイケイエール日常
メイケイエール、普段は可愛らしいって本当?
まずは圧倒的に情報の多い栗東トレセン(高校)時代、現在のエール日常を紹介。
(ソースは新聞(ネット)記事、メディア、本人のYoutube配信など。内容はマスコミ側推測でなく、関係者発言を元にしています。稀に独自主観。)
散歩行きたいワンちゃんに近い
管理する武英智調教師より。
調教した後は甘えてくる、調教しなかった日は”オコ”になるメイケイエール。リード準備したらソワソワして喜ぶワンちゃんみたい。
ただ前提として調教は散歩でない。
自由に歩けるならともかく、調教は「自由が効かず、人間の言うことを聞き、きついもの」。
他の馬は基本好きでない(一応エールもレース前など厳しくなるとしんどい模様)。
日常から特殊なエール。他の馬に比べて走ることが好き、負担と感じない体力がある。
丸太を跨ぐ
割と有名、響きがパワーワード。謎の日常。
真面目に言えば、小さな丸太をゆっくり跨ぐ調教。(人間なら目的違うがラダーダッシュ)
目的はエールは視線焦点が遠方すぎる → 他馬にぶつかる恐怖心がない → 焦点を手前にする意識づけ。
障害競争の調教に近いトレーニング。
武調教師は同期の高田潤騎手を呼んでエールに乗ってもらう。
高田騎手、騎乗は障害競走メイン → 更に騎手なのに調教づけが上手いと昔から評判高い → 完全にこの練調教向きの騎手(普通の調教もつけてもらう)。
おそらくあらゆる癖馬の調教をしてきただろうが、高田騎手はトップクラスで乗り難しい、制御難しい、外ラチにぶつかりに行くなど危なすぎる馬と語った。
21年夏~秋頃の調教。現在は行われていないはず。
お上品
こちらも武調教師より。
食事の食べ方、歩き方など。日常生活のあらゆる面から醸し出す品がエールにはあるとのこと。
武調教師や厩舎関係者らが可愛いので食事中のエールを写真で撮る
→さすがに食事中で激オコエール。陽キャがお嬢様相手に調子乗ってたら怒られた、みたいな状況。
こんな感じ
騎手が優しい世界
エールはどんな騎手が乗っているの?大崎さん?
エール22年11月時点で福永騎手(新馬戦スポット)→武豊騎手(5戦)→横山典弘騎手(桜花賞代打)→池添騎手(6戦)。
22年シルクロードS。前年はずっとエールが馬群突撃しすぎて何度も処分を受ける厩舎、騎手。レース全体に危険を及ぼすため引退する可能性すらあったエール。
そこで鞍上の池添謙一騎手は乗りこなし、他馬に危険も与えず勝利。それまでの厩舎の苦労、努力を賛辞した勝利騎手インタビュー。
同レースにいた横山典弘騎手(エール騎乗で桜花賞で処分受ける)が「たいしたもんや!」と言葉をかける。
違うレース場にいた以前の主戦武豊騎手はメールでお祝いコメント。
上記は「自分が制御できなかった馬を後輩騎手が勝った」構図。普通は素直に誉めにくい。懐の広い騎手たち、そしてそう思わせる規格外癖馬エール。
(池添騎手の番組(謙聞録-kenbunroku)より)
また、池添騎手は武豊騎手に憧れて騎手になった経緯。3人の共通点は歴代癖馬マイスター。
池添騎手はセントウルS時インタビューでも周りの騎手がものすごく気にしている馬と語る。
客観的に気にしているニュアンスと思われるが、いつ制御不能になるかわからない時速60km以上で走る獅子舞を気にしない人間は騎手失格。
有馬記念に出れない理由「腕が無理」
22年5月京王杯スプリングカップ、翌日深夜。池添騎手のインスタライブにて。
エールの有馬記念挑戦の質問を受けると「(あの走りを抑えるのに)腕が無理」と日曜のお父さんみたいな断り方をされる。
夢のグランプリ、有馬記念出走が叶わないエール。理由まさかの「腕が無理」不憫なエール。
・1400Mでも池添騎手が限界寸前で何とかエールを制御している状態。
・気性関係なく、血統的にもマイル~上手く嵌まれば2000M程度。2500M有馬記念は明らかに長い。
・あと当日ヴィクトリアマイル、ソングラインのスタート失敗で池添騎手は落ち込んでいた。
客観的に美人、端正な顔
よくエールは美人と言われるけど、馬の美人って何?
写真集も出るエール。
客観的に美人、顔立ちが端正。一般的に端正と言われる大きな要素4つが揃っている。
(もちろん見た目なので結局は主観です)
簡単なイメージ図(画像はエールではない馬)
①目が中央に寄りすぎず適度に離れている
+牝馬の場合はつぶらな(大きめ)瞳
愛嬌があるように見える。典型の実在競走馬はアストンマーチャン。
②鼻筋(目の中央から鼻まで)が通っている
顔に彫りができてスマートな印象になる。
正面からではわかりにくい。斜めアップ写真を見れば鼻筋が盛り上がっているエール。流星も途中までしかないので鼻筋が際立つ。
③アクセントとしての流星
鹿毛馬に白が映える。エールは少し上部が曲がっている。俗に言う石川県型流星。ズレた世界も愛おしく思う。
④足(体高)が長い
正確に言えば馬格(体重)に対して長い。エールは460~480kgと標準的な馬格だが足(体高)長め。足長美人。
また走り方が綺麗(歩幅の広いストライド走法)に見える。(ディープインパクトも軽量(440kg前後)だが体高は標準、足が長い馬。)
①~④全ての条件完璧なのがよくイケメンホースと言われるトウカイテイオー。
身長低めの設定は走りとダンスが映えるから。多分。
もちろんそれがないから可愛くないと言えない。顔は曖昧だし、好みはそれぞれ、個性、想い入れ。
まず馬の顔の見分けがつきづらい。
とりあえずエールはレースに出さない状況では可愛い。
会いに行けるアイドル(見れない)
ただ残念ながらエールは競馬場で重装備。写真集出しておいて顔が全く見れないアイドル。
もう何の矯正馬具つけてるか理解追いつかない。
顔を覆うパシュファイヤー(ホライゾネット)筆頭にビットガード、クロス鼻革、チェリーローラーハミ、折り返し手綱。レースでは使えない調教時マンタンガールなど多数。
馬具の読モ、走る馬具の広告塔エール。
白毛一族の気性強さを凝縮されたのに、まさかの鹿毛
母が白毛でも産駒鹿毛は特に珍しくない。同じ母と父でも白毛or違う毛色が出る。
(間違っている可能性あるが)白毛の母シロインジャーから産駒白毛発現率は50%。
ただエールの不憫なところは白毛一族が見せる気性強さ凝縮されたのに「鹿毛」という神様のいたずら。
・白毛一族の祖、シラユキヒメは気性難で有名なサンデーサイレンス産駒。
・最も気性難で有名なのはソダシの母ブチコ。スタート時にゲートに突撃、勝手に開ける、破壊など(後に姪っ子の娘が馬群突撃)。
ただ、白毛一族のパワー(ダート活躍が多かった)、マイルGⅠ2勝の父ミッキーアイル代表産駒でスピードを最大限引き継ぐのもエール。
誕生~デビュー前
栗東トレセンに来る前は何してたんだ?
ここからは生誕~デビュー前のエールを紹介。
この頃は大人しい馬だったこと。
誕生
母シロインジャー。現役時は未勝利に終わる。
2000年代表後半に活躍、初の白毛重賞馬ユキチャンが祖母。白毛一族の祖シラユキヒメが曾祖母。シラユキヒメ→ユキチャン→シロインジャー→エール。
(※シラユキヒメ→ブチコ→ソダシ)
幼稚園~小学校時代
ノーザンファーム北海道時代。先述の保育士(リードホース)ビワハイジ。ソダシは同じチーム。
2頭は放牧地が隣で仲良し。
ソダシ主戦の吉田隼人騎手がマイルからスプリント寄り(エールの距離)になったと話している。一方、エールの武調教師は本当はマイルに出したいと考えている。
今後の対決は充分にありえる。
中学校時代
ノーザンファームしがらき時代。
牧場長はいるが、390頭もいるので13厩舎に分かれた厩舎長が管理。
デビュー前後に能力高く武調教師が牧場長に連絡。牧場長が管理した厩舎長に聞くと「??」あまり走らないと思われていた。
名誉のために言えば、しがらきではデビュー前なので本気で走らせない、牧場長自体もデビュー前の競走馬はわからないと語る、しかもレースでバトル漫画風に豹変するエール。
(あくまで冗談の範疇で)その厩舎長が他の馬の報告をすると「でもエールは…」と言われる始末、相馬眼のない扱い。規格外ポテンシャルエールのせいで不憫な厩舎長。
(しがらきの松本牧場長、武調教師のインタビュー内容より)
デビュー前は奇抜な競走馬の片鱗がない。
まさか荒ぶる獅子舞になるとは…
誰も後のレース時の惨状を知らない幸せな頃。
中京競馬場の夢を背負う
有名な特徴として馬主が名古屋競馬場(株)。
中京競馬場を保有、管理、JRAに貸している。他の9競馬場はJRA保有のため珍しい形態。昔は「グリーン」、今は「メイケイ」冠で競走馬も保有。ただそこまで競走馬の購入財源はない。
セレクトセールで中西社長は高額すぎて買える馬が見当たらない、武調教師からギリギリ購入できる範囲で勧められたのがエール(そこではお行儀よかった)。
社内公募でみんなから応援してもらえる意味を込めたメイケイエールと名付けられる。
(中西社長のインタビュー内容より)
今では名古屋競馬場(株)はもちろん中京競馬場ファン、日本中から応援を受けるアイドルホース。
今でもツインターボは福島競馬場内の人気投票が大抵1位
またウマ娘化に馬主側から公言される珍しい競走馬。
「馬群突撃をなんとか抑えて、その後加速する」意味不明な特殊スキル。ゲームバランス壊しそうな規格外エール。
補足 ウマ娘のモデル馬 似た性格
全てのウマ娘モデル馬の性格はわからないが、 共通点が強いのはこの2頭。
ダイワスカーレット(牝馬)
・前に行きたくて仕方ない気質、良血お嬢様。
・ただ現役時イメージは12連続連対の安定感。逃げ、先行で器用な競馬できる優等生印象。
・しかし引退後に主戦の安藤勝己騎手からバラされる。とにかく前の馬を抜かしたくて苦労した、賢くない馬とバラされる。
→ 後からエール気質とわかったパターン。現役時にバラすと弱点晒すことになる考慮。
1着<<<その時1番前で走ることが好き
ダイタクヘリオス(牡馬)
・レース、調教以外では大人しい、真面目。主戦の岸騎手からベコ(牛)みたいと言われる。
・レースは短距離だろうと掛かる、前に行きたがる、口を割る(笑う)。理由は真面目な性格、闘争心が裏目に出て制御が効かない。
・母系は隠れ良血、メンコしてわかりにくいが端正な顔(ただし短足)。それを打ち消すレースの豹変ぶり。
→ エールのレース思考、スタイルに近い。
ただ現役時90年代前半は日常を掘り下げる媒体(テレビ、新聞、雑誌程度)少ない、ダイイチルビー片想いの印象が強い、とりあえず変な馬だった印象が残る。
大きめの瞳、つり目気味(離れた感じ) 結果的に忠実
レースでのエール
別記事ではレースでのエールも紹介しています。
上記は、枠順による好走分析+獅子舞競走馬の習性を取り上げた内容になります。
(リンク)
まとめ
最初は「ポテンシャルの高い癖馬」として有名になる。そこから日常の可愛らしさのギャップ、陣営・騎手・エールの努力が注目され、現在は実力派アイドルホースに。
名前の通りみんなから応援を受ける馬と同時に、その必死な姿に見ている方がエールをもらえるような競走馬メイケイエール。
今日もひたむきにエールは丸太を跨ぐ。
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見て頂けることは幸いですが、見ても何のメリットもないかなぁ…と思われます。