本記事はウマ娘内でも男嫌い・苦手設定にされている「メジロドーベル」解説です。
男嫌い・苦手ドーベル → 一見モデル馬が牡馬相手の成績が悪かったから。ただおかしいのは牝馬相手だと変貌して鬼無双、そこで勝った牝馬が牡馬と対等な成績をあげてしまうところ。
モデル馬メジロドーベルの牝馬弁慶ぶり、牝馬を追い込む(顔も)鬼、戦績(対牝馬、牡馬)、エピソード、現在の保育士リードホースなど元ネタからストーリーへの反映理由を紹介。
またドーベル特徴から考えればマイル戦活躍可能性も解説。
こういった方にお勧めの内容。
・競走馬時は知らない
・馬券を買うけどウマ娘はそこまで…
・ベルちゃん
ウマ娘 メジロドーベル キャラクター
<ウマ娘 キャラクター>
・人前が苦手。特にレース時など大勢いる場所苦手。というか普段の走りは全くできない。
・特に男性が苦手。
・ただ実力は本物。(幼少時にメジロ家の片隅でトレーニング中)
・メジロ家ではドーベルが同期。牡馬路線、トリプルティアラ路線をそれぞれ歩む同志。
・他ストーリーから見れば人見知り、クール、目立つこと苦手、多少素直でない印象のウマ娘。
モデル馬から元ネタ、理由解説
人前が苦手・特に男性が苦手
モデル馬の牝馬限定戦では強く、牡馬混合戦では実力を発揮できていない、成績差が大きく劣ることが由来。
レース場や人間を苦手にはしていない。
ただ実力は本物
牝馬限定戦では鬼のように強い(11戦8勝 2着2回 3着1回)。その戦った牝馬(エアグルーヴ、キョウエイマーチ)が牡馬相手と遜色のない成績=単純に牡馬相手に能力が劣るドーベルとは言えない。
メジロ家ではメジロドーベルが同期。牡馬路線、トリプルティアラ路線をそれぞれ歩む同志。
同じ94年生まれ、97年クラシック組。父親が共にメジロライアン(メジロブライトのモデル馬は牡馬)。
~クラシック期 ストーリー
ストーリーはただの良作。
特別な劇的展開やダイナミック史実はないのに良作。メジロドーベルのキャラクター、ストーリー構成が寄与。
人前が苦手、男性が特に苦手
原因は幼少時のトラウマ。
運動会でスタート時に転倒、励ましの声が
「弱いブライトを笑う(ように見えた)」<「優秀な他のメジロウマ娘」原体験が増幅していった結果。プレッシャー、劣等感ストーリー製造器メジロ家。
特に男性が苦手なのはメジロ家という周囲に男性が少ない環境で育ったため。
序盤(デビュー前) 開幕良作 ドーベル
最序盤から良作ストーリーが特徴。
7話構成キャラクターストーリー4話で完結するので、序盤は特に何もする必要がない。スマホをタップしておけばいい。文章では内容羅列になるためぜひ見てほしいストーリー。
(1)最初はサブトレーナー立場でドーベルと出会う。おばあちゃんトレーナーがドーベルのトラウマを理解、「ベルちゃん」呼びで可愛がる。
(2)トレーナーが病で倒れる(命に別状はないがトレーナー業継続は不可能)。
(3)退職するトレーナーが見に来る2週間後の模擬レースのためトレーニングするドーベル。サブトレーナーがレース直前は観客席の自分を見るように指示。
(4)スカウト目的の他トレーナーの観衆多い。走れなくなりそうなドーベルが観客席を見ると「君は強い」サブトレーナーの声。その時点では僅かなきっかけにすぎないが「アタシを強いと信じている人がいる」普段通りの走りができたドーベルは1着。
後ほど紹介する史実で亡くなられた堀口厩務員、史実馬のリードホースが絡み合った内容。
その後、ベルちゃんと正式トレーナー契約を結ぶ。
ただ「ベルちゃん」呼びするとガチで怒られる仕様。
ストーリー作成労力 2倍問題
男性苦手というパーソナリティがあるため、はっきりと男性トレーナー / 女性トレーナーを選択した際の対応が違う仕様。文字テキスト、音声セリフ、表情を2回分作成していることになる(大筋の展開は同じ)。
同性である女性トレーナーには不器用ながらも温和な反応が多い。男性トレーナーには露骨に嫌悪感を出しやすい。
(例)ドーベルが無意識なあくび、トレーナーに見られる
女性トレーナー時:恥ずかしそうな反応を取る。
男性トレーナー時:記憶消去を命じられる罰則。
(例)もし世界中がトレーナーみたいな人だったら…
女性トレーナー時:みんながトレーナーみたいな人間なら人見知りもマシだったかな…と独り言。
男性トレーナー時:世界中の男がアンタだったらアタシもマシだったかな?…それはそれで無理発言。何もしていないのに勝手に設定作られて一旦持ち上げて落とされる。
ラストまでを考えると、女性トレーナーとは人間関係構築、素直な面を見せる変化。男性トレーナーを選ぶと(トラウマ起因なので正確には違うが)ツンデレみたいになる。
目標レース
基本的に史実で出走したレースが再現。
トリプルティアラ路線
ブライト、トレーナーら周囲のフォローもあり何とかレースでも力を発揮できるようになるドーベル。
しかしトリプルティアラ期に周りの注目が集まるにつれて、レースでの精神的負荷、不安、恐れが大きくなっていく。
オークス前に先輩エアグルーヴからの助言を受け緩和される。(恐れは期待を裏切っていまう不安。それだけドーベルを支えてくれるブライト、ファン、トレーナーらが多くいる裏返し。)
同時にエアグルーヴがドーベルの明確な理想になる。
ストーリーのキーポイントは大体眺めてるトレーナー。
史実解説 ~クラシック期ストーリー
馬齢は2000年改正表記にしています
生誕 ~ 2歳(ジュニア期)
94年生まれの牝馬。父メジロライアン、母メジロビューティー。
母との関係
母メジロビューティー。詳細は割愛するが母の血液型特殊→そのまま初授乳すると免疫上危険→他の牝馬より授乳をしてもらい免疫つける→その後メジロビューティーに育てられる。
同期に牡馬メジロブライト。
→ウマ娘内反映されたブライトとの親密度はメジロ+同期+父親が同じ。ライアンがドーベルを気にかけるは父のため。メジロ内でもこの3頭は血統繋がりが深い。
(メジロブライト 別記事 リンク)
15秒でわかるメジロ 血縁図
96年に大久保洋吉厩舎に入厩。
デビューから4戦3勝と順調に勝ち上がり、2歳牝馬チャンプ決定戦、現阪神JFを勝利。
1番人気はシーキンクザパールだったが5着。(この頃のパールは気性がアレなので好走、凡走がはっきりしている。前走重賞ではメジロブライトに5馬身差をつける圧勝。)
3歳時(クラシック期)
厩務員との別れ
ドーベル担当は堀口厩務員。高齢ではあるが定年はまだまだ先。それでも「2歳馬担当は最後」、ベルちゃんと呼び溺愛、阪神JF優勝にも喜んでいた。しかしドーベル3歳1月に倒れ帰らぬ人に。
ウマ娘の最序盤ストーリーに反映されている。
ドーベルは結構生まれてから色々と大変な境遇。後任に安瀬厩務員、大久保厩舎の代表的厩務員、見た目は魚屋の親父。
牝馬三冠路線
鞍上は生涯、吉田豊騎手、まだ若手時代(現在のパンサラッサ主戦騎手)。
桜花賞は不良馬場に脚を取られ、相手は思いっきりマイル得意なキョウエイマーチの2着に敗れる。
次走、オークスは2400Mは距離でドーベルに分がある。馬場真ん中からぶち抜いて勝利。父ライアンが勝てなかったクラシックを勝ち取る。
(ドーベルはそういう顔つきなのか、レース中の気合表れなのか追い込む時の顔が怖い)
牝馬3冠最終戦秋華賞。2000Mではキョウエイマーチより若干優位。顔をぶんぶんしながら追い込み2馬身差以上の勝利。
牝馬三冠は2着→1着→1着。この時期の史実ライバルはキョウエイマーチ、距離適性から秋華賞が最後の対戦。
(シーキングザパールは外国産馬のため当時桜花賞とオークスの出走不可、秋華賞は可能だが喉の疾患で手術で出走なし。)
その後、有馬記念に出るも8着(上位はシルクジャスティス、マーベラスサンデー、エアグルーヴ)
シニア期 ストーリー
メジロの栄光
クラシック期最後は有馬記念が目標レース。ただ実質負けイベント。エアグルーヴ、マーベラス空間のチートレース。
クラシック振り返るの特番を見ると内容はクラシックのドーベル・ブライト活躍でなく、過去のメジロ家の絶賛内容。プレッシャー、劣等感製造器メジロ家。
不安定な時期を乗り越えたドーベルに再び劣等感。
またも助け舟はエアグルーヴ。
ただ今回は同じシニア世代としてのもの。
内容は意図的に抽象化、ドーベル自身が答えを見つけないといけないアドバイス(今のドーベルでは望むものには届かない、メジロドーベルでなければ永遠に得られない)
討伐エアグルーヴ編
答えは向き合うものは過去のメジロ栄光に捕らわれることではなく新しいメジロを刻むこと。
メジロ家の栄光に続くことではない、メジロドーベルの足跡を残すこと。
そして最終目標レースエリザベス女王杯前には打倒エアグルーヴを本人に宣言。理想、憧れいつか超えるためにある。
天皇賞春優勝で新時代メジロを示したブライトと共に新しいメジロを切り開くベルちゃん。
(現実でもマックイーン引退からドーベル、ブライトデビューまで3年間重賞を勝てないほど低迷していたメジロ牧場。「新しいメジロ」もストーリー都合でなくメジロ牧場本当の期待。)
トレーナーはそんなベルちゃんをただ眺めるだけ。
感情表情が細かいベルちゃん
感情表現が苦手のギャップからそう思うのかわからないが、ベルちゃんは表情のわずかな使い分け多め印象。
感情「喜」ベルちゃん
ただでさえ男女別仕様でテキスト多いのに、本当にパターン多かったら作画班大ピンチ。一番多い表情は男性トレーナーを嫌悪感混じり、鬼のような表情で見てくるベルちゃん。
史実解説 シニア期ストーリー
4歳時(シニア期)
ここから牡馬混合戦が増えてくるが成績が牝馬限定戦との差が目立つドーベル。
4歳春 牡馬混合路線
牡馬混合戦を4戦するも勝てず。産経大阪杯(当時GⅡ)のエアグルーヴ2着、GⅠ宝塚記念5着が目立つ程度。
98年エリザベス女王杯 鬼インストール
4歳秋は牝馬路線。能力差もあると思うがとにかく牝馬限定戦は迫力そのものが違う印象。
府中牝馬Sをトップハンデで勝つと、GⅠエリザベス女王杯ではエアグルーヴと4度目の対戦、過去3度は牡馬混合戦で対戦。
牝馬限定のドーベルは鬼、狭いインに突っ込み差し切り勝利。エアグルーブ撃破。
(エアグルーブは2週間後のジャパンC目標であり100%仕上げでない、ランフォザドリームにも先着された3着。)
ストーリーと同じく先輩エアグルーヴを乗り越え、新しいメジロを刻むベルちゃん。
現実でもマックイーン時代以降低迷したメジロ牧場。牧場(環境、血脈導入、幼駒とレーニング等)改革を行いブライト、ドーベル、らが活躍。
ともに2歳(96年12月)のドーベルGⅠ、ブライトGⅢ勝利がメジロ牧場にとって3年ぶりの重賞、及びGⅠ勝利。(前回が93年マックイーンのGⅡ京都大賞典、GⅠ宝塚記念)
そして牡馬混合の有馬記念は普通に9着。
5歳時 (シニア期)
5歳春は中山牝馬Sでは珍しく牝馬に敗れて2着(ハンデ差がドーベルと5.5kgあり)。
その後、外傷で長期休養になる。
長期休養 → エリアベス女王杯連覇
秋初戦は約7ヵ月の休養明け、牡馬混合の毎日王冠を6着。
本命のエリザベス女王杯はファレノプシス、フサイチエアデールなどメンバー揃う、苦手なスローペースも関係なし、抜け出して1着、連覇。
有馬記念出走の話もあったが有終の美を取る形で引退。
4年連続GⅠ勝利、毎年JRA賞の世代別最優秀牝馬に選出。
牡馬(男)が苦手?の原因
ウマ娘ストーリー内で言及される男性が苦手。
モデル馬はっきりと「牡馬相手に萎縮する」情報がないので下記がイメージの原因。能力が足りず牡馬相手に成績を残せない馬とは少し違う具合。
(1)牝馬限定と牡馬混合戦の成績差
牝馬限定戦の鬼 ドーベル
11戦8勝 2着2回 3着1回 (内GⅠ4勝、GⅢ1勝)
・牡馬混合戦 ベルちゃん
10戦2勝 2回 (GⅠ参戦では8着→5着→9着)
(2勝したOPいちょうS、GⅡオールカマーは相手が強くない、産経大阪杯2着もエアグルーヴ以外は微妙なメンバー)
(2)エアグルーヴ、キョウエイマーチの混合戦での活躍。
(キョウエイマーチは混合重賞2勝。GⅠでも2着2回、5着以内3回)。
(3)ドーベル対上記2頭と対戦は遜色ない。
(4)また、スローペースは苦手(掛かり癖がある) → 基本的に混合戦の方がペース早め、ドーベル有利のはず → でも苦手(ファインモーション等、混合戦の早いペースを苦手としている牝馬は多い。ドーベルは逆パターン)
→マイル戦では可能性のあったドーベル
スローペースは苦手(掛かり癖がある)、陣営もマイル戦に出してみたかった引退後の談。
中距離ではペースが遅く、掛かり実力を発揮できなかった(牝馬限定戦では能力で補えたが牡馬相手は相手レベルが高すぎた。)ペースの流れるマイル戦では牡馬に通用した可能性。
不運はヴィクトリアマイル(牝馬限定戦)が現役時になかった、歴代でも最強クラスのタイキシャトルと活躍期が重複し安田記念・マイルCS参戦のハードルの高さ。
(ドーベル産駒は2400M前後が得意な種牡馬との仔で血統では判断が難しい)
主な勝ち鞍
GⅠ 阪神3歳牝馬S(96年) オークス、秋華賞(97年) エリザベス女王杯(98,99年)
(レース名・グレードは当時準拠)
繁殖牝馬時代
メジロ牧場解散→レイクヴィラファームで繁殖牝馬へ。
子育て上手。ものすごく可愛がるが、子離れ時期にスイッチオフ。他の繁殖牝馬は離れてしまい子供へ鳴くことも多いが、ドーベルは「もう終わりモード」。子育てを悟る。
リードホースとして
繁殖牝馬引退後はレイクビィラファームで※リードホース(人間だと保育園の先生)を務める。動画でも挙がっており、仔馬に慕われいる様子が確認できる。自身のひ孫なども生徒。
※リードホース:子離れ(離乳)時期に仔馬は母親と引き離される。仔馬は精神的に不安な時期。リードホースは群れに混じり精神的ケア、遊び相手、群れでの生活を教えていく。また子離れ前の仔馬の世話をする場合もある(ドーベルはその場合は母馬を立てて深く干渉しない、子離れ後の仔馬には自分から向かう判断が的確)。
リードホースは牧場規模により複数いることも多い。
ウマ娘内のピアノ・お遊戯得意、年の離れた妹の世話好き、「なにかになりたいと願う子を導ける存在になりたい」はドーベルがリードホースの反映。
偶然とはいえ代わりの牝馬から初授乳、ベテラン厩務員に溺愛された過去が現在のドーベルと重なる。
どぼめじろう先生
公式設定で少女漫画好き、自宅机引き出しに過去に書いた自作漫画があるメジロドーベル。
「どぼめじろう」は非公式設定でドーベルの漫画時のペンネーム。コミケにトレーナーと共に自費出版。立場上、トレーナーがどぼめじろう先生の役をしている(しかしドーベルが変装しないので完成度の高いコスプレイヤー売り子とファンから認識されている)。
もちろん公式設定ではない。そもそもトレセン学園の厳しいトレーニング中の隙間にコミケ出版自体は不可能。
アグネスデジタルは自費出版が公式設定されているが、異常高スペックオタクなのでノーカウント。
アニメ版
1期、2期ともに稀にメジロ家でのマックイーンとの会話に出る程度。セリフは「パクパクですわも大概にね(意訳)」くらい。
まとめ
・エアグルーヴの固有ストーリーの対比、象徴。
後進育成のため、学園改革・フォロー・目標となる。後輩に咲ける未来があると示すグルーヴの物語。先輩であり、目標であるグルーヴ、メジロ家を超えるドーベルの物語。
(別記事リンク)
・「強い」ドーベル
普通はレースから逃げる、線引きする選択肢もあったドーベル。彼女が根本的に強かったからこそ苦しんだトラウマ。
・導くトレーナー
トレーナーがキーポイントに介入しない(できない)のは周囲にエアグルーヴやメジロブライトに役割が与えてられた、ドーベル自身が抱えていた殻を破ることの必要性。トレーナーすることは大人としてドーベルの強さを信じ、支え、導く役割。