本記事はどういうわけかギャルになった「トーセンジョーダン」解説です。
名物ボス馬がウマ娘ではギャル娘にされた微妙な衝撃。一応の理由をモデル馬(元ネタ)から解説。
モデル馬のゴールドシップとの確執、怪我に悩まされた現役生活、戦績、11年天皇賞秋。どのようなウマ娘ストーリーに反映されたか紹介。
ウマ娘 トーセンジョーダン キャラクター
<ウマ娘キャラクター>
・ギャル
・足の爪が弱い、割れやすい
・ゴールドシップに執拗に絡まれる
・頭ポン菓子
・語彙、理解力、伝達能力に欠ける
キャラ設定の理由
史実ではボス馬(競馬では厩舎の群れを率いる序列のトップ。自分の群れの秩序を守ると同時に他の群れから仲間を守る、威嚇する役割。)
ウマ娘ではその辺のギャルになってしまう。ウマ娘内でも屈指、強引なキャラ設定。
ギャル
「足の爪が弱い、割れやすい」とセットから連想。
史実のジョーダンは蹄が弱い。四肢を支える先端の爪(人間だとかかとに近い箇所)。そのためレースも順調に使えなかった。
ウマ娘内で足の爪を入念にケア → 手の指もケア、というかネイル好き →ギャルはネイル好き。
手 → 人間と同じでおしゃれ、趣味。
足 → レースのためケア。
ゴールドシップに執拗に絡まれる
現実通り。ジョーダンは所属する池江厩舎のボス馬。現役期間が長く威厳も強かったため栗東トレセン全体でもトップクラス。
一方、ゴールドシップは3歳下、須貝厩舎所属。栗東トレセンで調子にのるゴルシ → ジョーダンから(ボスの秩序を守る役割で)威嚇されるゴルシ → その後、ゴルシはジョーダンを見かける度に絡む、蹴りに行く。
ボスゆえに恨みを持たれた史実ジョーダン。
全く関係ない世界の出来事に巻き込まれるウマ娘ジョーダン。(一方で交流のないゴールドシチー(ゴルシ)とは仲が良い)
頭ポン菓子。語彙、理解力、伝達能力に欠ける。
・ギャルだから。ギャルと現実トーセンジョーダンへの風評被害。現実のジョーダンは賢い部類、そうでないとボスにはなれない。
・レースに器用さに欠ける面あり(ストライド走法で小回りが効かない、自分でレースをつくれるタイプではない)。
ウマ娘 ジュニア~クラシック期 ストーリー
ジュニア期
トーセンジョーダンの目標レースは現実と時期ズレが大きい。理由は蹄の弱さで出世が遅れた、順調に使えなかった時期を挟むため。
トーセンジョーダン目標レース、史実
出会う時点のジョーダンはモチベーションがなくなりかけている。爪の怪我 → 走りの結果も出せない → 治りかけてトレーニングすると再発。
また女性担任教師とも不和が生じていた。爪の件で精神不安定、理解力低さ、伝達能力の低さが原因。多少本人のプライドも邪魔している。
(部屋で足のケアはしない。同室ウイニングチケットが泣くから。情緒豊かすぎて多分「痛くて走れなくて可愛そうだよぉ~」言いそうだから。実際に勉強ができないジョーダンを見て悪気なく校内で大変そうと泣いてバラされる。)
別の世界の業でゴールドシップに絡まれる。一方でゴールドシチー、メジロパーマー、ダイタクヘリオスのギャル友達と仲が良く、レース・学業・私生活面でフォローを受ける。(この3人はジョーダンより先にレース結果を残している)
トーセンジョーダン 相関図
そんな状態のジョーダンのトレーナーになりデビュー戦出走あまでたどり着く。
何もレースを知らないジョーダンはビッグがいいので次はジュニア級のGⅠホープフルステークス出走。
クラック期 前半
指導者として
ジョーダンは頭ポン菓子なので「普通」に教えても伝わらない。工夫、実践、習うより慣れろに近い指導。またトレーナーなりにジョーダンの考え、人間性を知ろうと努力。
・坂での走り方をコース、理論でなく河川敷で実践。
・謎のレース理論「推奨すべきプライオメトリテクス」を噛み砕いて理解させる。
・勉強面。暗記は軽い運動をしながらの方が覚えやすい → 数学公式を叫びながら走る恥ずかしいトレーニング。
・ジョーダンの好きな流行りの芸人一発芸を真剣にする。怖がれ、引かれ、SNSに晒されるトレーナー。
トレセン学園トレーナーが優秀というかプレイトレーナーがレース、学業、その他諸々教えることができる超人。
また、ジョーダンのストーリーはレース指導面だけでなく一生徒への教育要素が強い特徴。序盤で理事長から学業面向上や担任教師との連携の指示を受けるトレーナーたち(他のストーリーにない描写)。
皐月賞
皐月賞直前に足の爪が割れ、ギリギリの状態で出走にこだわるジョーダン。(現実は皐月賞回避)
目標達成であれば着順に関わらず、新聞記者から努力を取り上げられモブギャルから慕われるようになる(お情け程度のボス要素)。
ただ皐月賞出走で更に悪化、医者からは半年と2週間はレースは控えた方がいい(ちょうど菊花賞に出られない絶妙な)診察結果を言い渡される。ジョーダンも完治させたい意向、目標レース通りであればクラシック出走はなくなる。
クラシック期 後半
爪を完治させ復帰。
年末の有馬記念。目標着順はないがノーマーク、他のウマ娘からレースの展開駆け引きを褒められる。しかしこの頭ポン菓子娘、何も考えていないので偶然でしかない、言われている意味がわからない。
他のウマ娘が色々考えて走る、次は上手くいかない、レースが怖くなる。そして失踪してしまうポン菓子。
ウマ娘の2000年以降に多いライバル不在、同期もナカヤマフェスタのみ。有馬記念ライバルが親子参戦レース、結果的に豪華メンバー。
スペシャルウィーク(ブエナビスタ父)、メジロマックイーン(ドリームジャーニー祖父)、ゼンノロブロイ(ペルーサ父)、フジキセキ(ダノンシャンティ父)、エアグルーヴ(ルーラーシップ母orフォゲッタブル母)。ジョーダン初出走10年とクラシック期09年メンバー。
史実解説 ジュニア~クラシック期
馬齢は2000年改正表記にしています
06年生まれの牡馬。父ジャングルポケット、母エヴリウィスパー(母父ノーザンテースト)。
2歳時にデビュー、5戦3勝、重賞でも2着。クラシック皐月賞が期待されたが裂蹄(ストーリーの爪割れ)で回避。
年末に復帰、2戦するも勝利できず。GⅢ中日新聞杯では4着、同期のナカヤマフェスタが13着、後のGⅠ馬が微妙な結果。
ジョーダンの現役生活は蹄の弱さとの戦い。
翌年(4歳)夏頃から順調にレースに出れるようになり3連勝でGⅡアルゼンチン共和国杯で初重賞勝利、年末有馬記念ではスローで逃げ粘り5着健闘(これがストーリー中クラシック期有馬記念)。距離的には2500M辺りが良い印象。
ウマ娘 シニア期ストーリー
年明け、トレーナーに捕まるポン菓子。ジョーダンは確かに頭ポン菓子(ビッグになりたい理由でGI出走、怪我悪化さえてまで皐月賞に出るポン菓子)。ただよく言えば大胆不敵、強気、愚直、実直にトレーニングするウマ娘。
深いことは考えても無駄、最強のポン菓子を目指すよう諭される。
シニア期前半 対ゴールドシップ
頭自体はよいが常識外ということでなぜかゴールドシップがライバル、目標になる。(現実ではジョーダンの1勝2敗。年齢、全盛期が違うため万全の状態では戦えていない。)
ゴルシにウザ絡みされる
モデル馬の蹴りにいく。よりはイタズラ、ゴルシ特有理解不能なウザ絡みされることが多いジョーダン。
ゴルシは他のウマ娘にも行うがジョーダンの被害が圧倒的。ゴルシの心の中の少年が「やっちまえ」と囁くとのこと。
レース中にいが栗を投げようとする・特に理由はないが追い回す・とにかく辛いものを食べさせようとする・伊達巻の伊の字にしようとする・マントル掘るのに誘う・焼きそば頼まれたのにカマボコ焼きマヨパワー丼を出す・ゴルシ捕獲のエサにされる etc
一方で最も頭ポン菓子にはわかりにくそうなビワハヤヒデから熱心に理論指導も受ける。
大阪杯→天皇賞春→宝塚記念。因縁のゴルシ3連戦。
(宝塚記念には同期ナカヤマフェスタも参戦)
宝塚記念後、ゴルシに天皇賞秋勝負を持ちかけるも「それはアタシのレースじゃない、オマエのレースなら胸張って勝負してこいよ。」発破をかけられる。
最高の指導者(バクシン)、天皇賞秋へ
ジョーダンは夏合宿でサクラバクシンオーから指導を受ける。元々は天皇賞秋のスピード対策だが「何も考えていない」「スピードを鍛えたら良い」「頭バクシン育成」相性としてジョーダン最高の指導適任者。(特にジョーダンは尊敬していない)
天皇賞秋
2000Mスピード勝負の天皇賞秋、最大目標レース。
ライバルが親子参戦レース、スペシャルウィーク(ブエナビスタ父)、グラスワンダー(アーネストリー父)、ゼンノロブロイ(ペルーサ父)、エイシンフラッシュ(本人)らが相手。
見せてみろ、ポン菓子の走り。
史実解説 シニア期 ストーリー
5歳~6歳前半(11~12年前半)がジョーダンの充実期、ストーリーシニア期の反映時期。
11年GⅠ宝塚記念では9着に敗れるも、次走のGⅡ札幌記念で勝利。
11年 天皇賞秋
ジョーダンは7番人気、GⅠでは距離が短い印象。1番人気は前年覇者ブエナビスタ、他にダークシャドウ、エイシンフラッシュ、ペルーサ、アーネストリーらが集う。
ただレースの命運を握ったのは逃げ馬シルポート。1000Mを超絶ハイペース56.5秒で通過(スズカが57.4秒)。早すぎて馬群がシルポート・第2集団(11頭)・第3集団(6頭)に分断される、ジョーダンは第2集団の後方位置。
直線ではハイペースで先行勢総崩れ、後方から差し馬・追い込み馬が突っ込む。比較的後方に位置したジョーダンがダークシャドウらを差し切り1着、1:56.1の芝2000M日本レコード(22年9月現在もジョーダンが保持)。
レースは不器用だが、駆け引きなし・地力勝負・ストライド走法で東京向き・スタミナ豊富なジョーダンの持ち味が活きたレース。
(シルポートは10年も稍重馬場で59.1秒。12年も57.3秒ハイペースだがさすがにこの時は無視された。)
天皇賞秋以降
次走ジャパンカップは天皇賞秋がフロック視されたこともあり6番人気。だが今回は先行してブエナビスタのクビ差2着。
その後の12年天皇賞春2着など安定してGⅠ好走していたが
裂蹄が再発症。
順調に使えない、年齢的な衰え、ゴルシが蹴りにくるやらで成績低迷。しかし13年(7歳)のジャパンカップは11番人気で3着に入る(このレースがゴルシへの先着レース)。
14年(8歳)秋まで走り引退。
父ジャングルポケットと同じく、広い東京競馬場でGⅠ好走が多かった。
主要勝ち鞍
GⅠ 天皇賞秋(11年)
(レース名・グレードは当時準拠)
アニメ版
出番、ない
まとめ
裂蹄との戦い、不器用なレーススタイルながら高い潜在能力を発揮した競走馬トーセンジョーダン。
頭ポン菓子だけど愚直な努力をする大胆不敵なウマ娘トーセンジョーダン。
なぜギャルにされたかはよくわからない。