本記事は「ヤマニンゼファー」解説です。
全く適性の異なるスプリント、マイル、2000Mの距離3階級制覇に最も迫った競走馬。ウマ娘ではのんびり、世俗離れした風の詩(ポエム)好き。
現実の距離別ライバルと対決、同期トウカイテイオーとの親子2代に渡る関係性を紹介。
史実、元ネタからストーリーへの反映解説。
ウマ娘 ヤマニンゼファー キャラクター
<ウマ娘 キャラクター>
・3階級制覇
・幼少より風のように速いウマ娘に憧れ
・トウカイテイオーを意識、ライバル
・公式”風”ポエマー
モデル馬から元ネタ、理由解説
3階級制覇
現在まで達成されていない1200、1600、2000Mの3階級(距離)GⅠ制覇に最も迫ったのがゼファー。1200Mのみ2年連続2着。
幼少より風のように速いウマ娘に憧れ
ウマ娘ではマイペースで世俗離れした性格だが上記ウマ娘への憧れは強い。名前は出ず「あるウマ娘」表現。
現実馬ニホンピロウイナー(ゼファー父、マイルGⅠ3連覇、異名等から)。
トウカイテイオーを意識、ライバル
テイオー父は中~長距離GⅠ7勝の皇帝シンボリルドルフ。ゼファーの父ニホンピロウイナーは同時期の活躍馬で「マイルの皇帝」と呼ばれたことから。
父同士は85年天皇賞秋(2000M)で対戦、ルドルフ2着、3着ニホンピロウイナー。両者の関係が子供同士に引き継がれている。現実でのテイオー、ゼファ一対戦はない。
公式”風”ポエマー
元ネタなどない。一応JRAのキャッチコピー「そよ風(ゼファー)、というには強烈すぎた」。
風が好きなウマ娘。喋り方が風の比喩表現しすぎで詩人みたい、誰も理解できない。他のウマ娘から「ゼファーさんは風がどうとか言って…」意思疎通できていない、トレーナーがおそらくこういう意味だろうと解釈、第三者がいるとトレーナーが翻訳して伝えなおすレベル。重度の公式”風”ポエマー。
初対面 「探し物?」と聞いた際の風ポエマー返答
~クラシック期 ストーリー解説
馬齢は2000年改正表記にしています
史実 生誕~デビュー
モデル馬は88年生まれ牡馬。父ニホンピロウイナー、母ヤマニンポリシー。ヤマニンゼファーはクラシックには出ていないがトウカイテイオー、レオダーバン、ナイスネイチャらが同期。幼少時より大人しく、おだやかな性格。
栗田博憲調教師に預けられる。しかし体質が弱く調教がままならない。新馬戦日程がなくなるので3歳(91年)3月、選択肢も少なくダート1200Mでデビューすることに。全く期待されていない12番人気。
新馬戦は後方追走、絶望的な位置、カメラも捉えていない。しかし残り200Mで大外から追い込むゼファーが映る。前には7頭、突風のような勢いで2馬身差をつけて追い込み勝利。
ウマ娘ストーリーでは…
デビュー戦でなく選抜レースで再現。体質の弱さ、不安な心情を「風ポエマー仕様」では下記に転換。
①基本的に風ポエマー、言っていること意味不明ゼファー
「しなと(科戸)と思っていたが東風か南風か悩む」???方角???
②体質の弱さから選抜レース時期が遅れる。レース前に”風”の単語を織り混ぜないゼファー。元気がないのでは?と思うトレーナー。(マニアックな判断手法)
③今、自分にできることを考えるトレーナー
④「君の風になりたい」と言い出すポエムトレーナー
励まし方がTHE BOOM
結果、選抜レースは勝利。
序盤は本当に何を言っているのかわからない。
憧れのウマ娘(ニホンピロウイナー)と同じくスプリント~マイル路線を進む展開。
目標レース一覧
華麗なる一族と騒がしい庶民 対決
クラシック期スプリンターズSは華麗なる一族の末裔、ダイイチルビーが固有ライバルとして登場。
その後のマイルCSではダイイチルビーに加えて、騒がしい庶民ダイタクヘリオスと対戦。
優雅なルビーと対照的にヘリオスはテンション高め。登場時効果音が新幹線通過音、桃鉄進行系カードみたい、既に騒がしい。ウマ娘でも現実でもヘリオスはルビーが好き(同時にライバル)な設定。
ゼファーはこの2人を意識。
ダイイチルビー モデル馬 解説 (別記事リンク)
ダイタクヘリオス モデル馬 解説 (別記事リンク)
史実対戦
91年(3歳)スプリンターS時のゼファーはまだ本格化前。ダート中心に使われ、芝では重賞3着はあるものの未勝利。結果は7着で能力の片鱗は見せる。
ルビーが後方から追い込み4馬身圧勝。またケイエスミラクルが直線で故障発症したレース。減速するミラクルのすぐ外をルビー、ゼファーが抜いていく悲しい構図。
マイルCSは92年(4歳)時のみ参戦。ダイタクヘリオスの5着。
現実ゼファーは輸送苦手。遠征はGⅠ5着、GⅢ/GⅢ各2着、条件戦勝ちのみ。20戦中16戦が東京、中山競馬場。
関東馬かつ、現実目標GⅠが2競馬場に集中(中京、高松宮記念は当時2000MのGⅡ)しているのでローテ上もそうなりやすい。
ウマ娘 トウカイテイオーとの関係
序盤は風以外に関心がないゼファーだがテイオーには親近感が強い。それぞれ路線は違うが、憧れのウマ娘を持つ点は同じ、同志の感覚。テイオーは皇帝超えを目指している。
同時期に活躍した皇帝シンボリルドルフ、マイルの皇帝ニホンピロウイナー。
テイオーから刺激、勇気をもらうゼファー。
テイオーが三冠かかる菊花賞を骨折で離脱。テイオーに何もできることはない、ただ私の背中を見ろと言わんばかりに皇帝超え、GⅠ3階級制覇をテイオーに宣言。
ゼファーがテイオーにレースで見せる勇気、希望。ポエマーがボクサーになる物語スタート。
風の話は後にしてください! (テイオー骨折ニュース中)
父ニホンピロウイナーの3階級戦績
1600M:マイルCS→安田記念→マイルCS マイルGⅠ3連覇。
1200M:当時GⅠ自体がなかった。1200Mはグレード制導入前のCBC賞勝利。1400MでGⅡスワンSで7馬身差、京王杯SCも斤量59kgで快勝。
2000M:85年天皇賞秋で3着(1/2+1/2馬身差)。1着ギャロップダイナ、2着シンボリルドルフ。
本格化した4歳以降は1600M以下で8戦7勝(2着1回)。
いまだ3階級GⅠ勝利を達成した日本馬はいない。近年で迫ったのはグランアレグリア。天皇賞秋が3着、他は勝利。
シニア期 ストーリー解説
距離別固定ライバル
異様にスプリント~マイル層の厚い史実
ストーリーでは3階級制覇へ、シニア期全て1着目標。またお互いの距離適性が一致する2000M天皇賞秋ではトウカイテイオーと対戦を約束。
ちなみにこの辺りから言葉に”風”は使うが言っていることが理解できる(ストーリーのテンポアップ、トレーナー/テイオーとの距離感変化。風ワードストック切れかは不明。)
1600M 安田記念
固有ライバルはダイイチルビー、ダイタクヘリオス。さらにイクノディクタスが加わる。イクノへのトレーナー評は「恐るべきローテーション」。
史実 安田記念
92年(4歳)はその時点で芝未勝利(重賞好走あり)、大外18番が嫌われて11番人気評価。1番人気はダイタクヘリオス。
1000M56.9秒のハイペース先行、直線入口で3番手の強気の競馬。残り200Mで先頭、風の青さを抱きしめてそのままGⅠ初勝利。鞍上の田中勝春騎手もGⅠ初勝利。
ヘリオス6着、ルビー15着(ルビーはこのレースで引退)。
93年(5歳)は2番人気。マイラーズCで3馬身以上離されたニシノフラワーが1番人気。
直線入口2番手、残り400Mで先頭に立ち、イクノディクタスに約1馬身つけて勝利、連覇。フラワーは掛かった影響もあり10着。
鞍上、柴田善臣騎手のGⅠ初勝利。当時乗っていたバイクもゼファー。
野暮なことをいえばゼファーの名前由来は当時資生堂が力を入れていた商品スキンケア化粧水から。厳密にはスキンケアポエマー。現在ならヤマニンソフナーでデビュー。
ゼファーの武器はスプリントでも前に行ける先行力、早め先頭に立っても止まらないスピード。また掛かることもないので位置取りで有利、競馬がしやすい。それが1200~2000M適応に繋がった。
1200M スプリンターズS
固有ライバルはニシノフラワー、サクラバクシンオー。
またゼファー現役当時は高松宮記念が現行1200MのGⅠでない。スプリンターズSが年に1回しかチャンスのないスプリントGⅠ。
史実 スプリンターズS
91年(3歳)は先述通りルビーの7着。
92年(4歳)は4番人気ゼファー。1番人気は騒がしい庶民ダイタクヘリオス。
レースは5番手で先行。最内を通り先頭争い、残り200Mで先頭へ。ほぼセーフティリードの残り100Mで花風ニシノフラワーが驚異的な追い込み、クビ差2着。4着ヘリオス、6着サクラバクシンオー。
当年の桜花賞馬フラワー。3歳牝馬のスプリントGⅠ勝利はフラワーとアストンマーチャンしかいない。天才少女の前に敗れる。
93年(5歳)、これがゼファー引退レースで最後のチャンス。1番人気の支持を受けるゼファー。
ただこの時は相手が悪い、本格化したサクラバクシンオー。ゼファーより先行して、更に直線で突き放される。2馬身差以上離された2着。フラワー(3着)の追い込みはしのぎきる。
バクシンオーは1400M以下12戦11勝(敗れたのが3歳時スプリンターズS)、翌年もうすることがなくなり引退、ロードカナロアが出るまで約20年間スプリント最強アンケートをする意味がない、JRAがスプリント路線の再編成に動くレベルの魔王。
サクラバクシンオー通算戦績
出走数 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 着外 | |
1400M以下 | 12 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1401M~ | 9 | 0 | 2 | 1 | 3 | 0 | 3 |
ウマ娘のバクシン理論「1200Mx3=3600M」も屁理屈だけど1200Mは勝つことが当たり前だから成り立つ方程式。
結果的に92年(4歳)のニシノフラワーにクビ差2着が最も惜しかったレース。
※下記、ストーリー、主要部分の内容記載があります。
2000M 天皇賞秋
トウカイテイオーは再び骨折、ゼファーと天皇賞秋に出る約束を果たせない。今回は度重なる骨折で治っても過去のテイオーの走りには戻れない診断。
(シニア級6月後半にテイオーはゼファーにその件を話す。現実テイオーは93年6月3日前後に3回目骨折。)
特にレース前後の演出はないが確実に出走するのがツインターボ、ライスシャワー、ナイスネイチャ、イクノディクタス(93年出走メンバー)。
テイオーに希望を見せるため天皇賞秋を走る。レース中に風を感じなくなり自身が風になったゼファー。シニア期に風ポエマー要素が薄まる理由、風が憧れでなく、超える背中になった心境の変化。
同期だが本来は対戦はなく関係のない競走馬。
ストーリーはお互いの意思疎通ができる世界。テイオーからゼファーがもらった勇気。ゼファーの走りでテイオー復活の希望にする物語。
天皇賞秋はルドルフと「あるウマ娘」も観戦に来ている。
史実 ゼファーの天皇賞秋
ゼファーが出走した93年は直前のメジロマックイーン故障、引退で混戦ムード。馬券人気でも迷いが見れる混戦。
1番人気ライスシャワーは距離短い。2番人気ナイスネイチャの勝ちきれなさ。3番人気ツインターボは七夕賞、オールカマー逃げ切り連勝、ライスシャワー撃破。ただ今回はマーク受ける立場、逃げ馬不利な直線長い東京競馬場。
4番人気ホワイトストーン。その次に5番人気ゼファー、前走毎日王冠(1800M)4着で距離が長い不安視。不安視しかされないメンバー。
ゼファー鞍上は柴田善臣騎手。レースは予想通り、様式美のようにターボが逃げる。1000M通過は58.6秒でやはり速めのペース、ゼファーは3番手追走。そしてターボは様式美のように捕まり、名実況「ツインターボの逃げは残り500Mで壊滅している」が生まれる。そのターボを捕まえて壊滅させたのがゼファー、残り500Mで早くも先頭、早くもつきぬける。
ただ1頭ゼファーを追ってくるのがセキテイリュウオー(鞍上は共に初GⅠ勝利した田中勝春騎手、自身とリュウオーともの藤原敏文厩舎所属なので騎乗した経緯。)
残り300Mでリュウオーに敢えて馬体を併せに行く善臣騎手、ゼファー。大人しい性格なのに並んだ時の勝負根性が強い競走馬。
約300Mの叩き合い、勢いはリュウオーだったがゼファーが根性で差し返しハナ差勝利。善臣騎手も馬に勝たせてもらったと語る(ただ馬体を併せたのは善臣騎手、咄嗟の判断)。
4階級制覇 有馬記念
テイオーはゼファーを刺激に骨折を乗り越え奇跡の復活、有馬記念に挑む(現実の93年有馬記念)。
ゼファーも出走は可能。ただ長距離適性G。ほぼ惨敗、テイオー復活イベント見たさにゼファー出走させて悲しい顔にさせる仕様。
能力値がこだわっており絶対でないにしてもテイオー1着、ビワハヤヒデ2着になりやすい史実展開。割とネイチャも補正がかけられ3着になりやすい、メンバー構成も史実近い。
ゼファー、テイオーを天皇賞秋で対戦させなかった理由で考えられるのは、
・最近の実装ストーリー、競走馬人生を全うした競走馬モデルは史実準拠傾向。
・世代が離れすぎている、怪我で早期引退、天逝した競走馬にはIf要素は強い。(前週に実装したのが天逝したアストンマーチャン)。
・アニメ2期のツインターボ役回りと近い。同期だが対戦なし、テイオーから諦めない姿勢をもらったターボ、骨折で諦めかけたテイオーにレースの走りで諦めない姿勢を伝える。
・後のテイオー再実装や他のウマ娘ストーリーの布石。
・ゼファー長距離適性Gで有馬記念に勝つ諦めない姿勢をユーザーに伝える。
他のテイオー/ルドルフ親子の因縁 史実
1つ目に有名なのはルドルフ-ミスターシービーの親子2代対決。シービー産駒のシャコ―グレイド。1歳違いの3冠馬2頭のライバル2世対決としてクラシック時期に取り上げられる。
91年皐月賞テイオー勝利、16番人気薄シャコーグレイドがほぼ最後方からの追い込みで2着に迫った1。ルドルフ→シービー産駒決着。
しかしここからシャコ―グレイドは重賞で上位はあるものの伸び悩み、皐月賞以降は29連敗。
94年10月テイオー引退式。前日徹夜組が並ぶ人気、東京競馬場の開催昼休み中に行われた。その後のメインレース東京スポーツ杯でシャコ―グレイドは皐月賞と同じように最後方から追い込み1着。
テイオー引退へのはなむけのような走り。
2つ目はルドルフ-ビゼンニシキの親子2代対決。ビゼンニシキはルドルフの皐月賞2着、しかも主戦の岡部幸雄騎手を奪われた因縁。ビゼンニシキ代表産駒は騒がしい庶民。
テイオー天皇賞秋は92年のみ出走。親のイニシャルからSB対決と盛り上げり1番人気テイオー、3番人気騒がしい庶民(ダイタクヘリオス)。
ダイタクヘリオスの1000M通過57.5秒ハイペースにテイオーが巻き込まれ7着。ヘリオスも共倒れ8着、テイオー含む先行勢ごと壊滅する。
過去は親世代の話、今逃げて走るのが楽しいヘリオス。次走で2頭ともGⅠを勝つポテンシャル。
(ルドルフ、ニホンピロウイナーに天皇賞秋で勝ったギャロップダイナもヘリオスみたいな迷馬。)
主要勝ち鞍
GⅠ 安田記念(92,93年) 天皇賞秋(93年)
(レース名・グレードは当時準拠)
アニメ版
出番なし
備考 アストンマーチャンのポエマー模様
Cygames、ヤマニンゼファー実装1週間前にもポエマー、アストンマーチャン号を登場させる。お互いにマイペース、動物に語りかける、不思議な雰囲気など共通点多い。
2週連続でポエマーストーリー実装。
①マーチャンは海ポエマー
死生観、死ぬことを「海に帰る」表現。ホワホワさん(ハト)が死んだことを「海へ行くのです」と語る。
②大事なのは消えない跡
いなくなってもみんなの記憶に残ること(消えない跡)が大切とポエム。マーチャンは画像・動画に映りたがり屋、人々の記憶に残りたい行動が多い。
③マーチャンの選抜レースを見るトレーナー
レースでのマーチャンの姿は速く強烈。ただどこかに消えてしまいそうな刹那的印象。モデル馬が現役中に天逝したことが影響。
④ポエム(スカウト)するトレーナー
マーチャンの儚い輝きに魅了されたトレーナー。感極まりすぎて「(自分は)君を(みんなの記憶から)忘れさせたくない」とポエム返し。まだレース終了直後、客観的に見たら中等部女子に観衆の前で謎の願いを叫ぶ変な人。
ゼファーへの「君の風になりたい」といい、ポエマーウマ娘が出てくるとトレーナーも変なテンションになる法則。
(別記事リンク)
まとめ
競走馬ヤマニンゼファー、早め先頭でそのままゴールまで突き抜ける走りは烈風。
ウマ娘では現実で僅かに及ばなかった中距離、マイラー、スプリンター、ポエマーの4階級制覇に挑む物語。
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見て頂けることは幸いですが、見ても何のメリットもないなぁ…と思われます。